来年、映画「Joker」が公開予定とのこと。
「また?ジョーカー?もうやだ。やめてくれ。」と言うのが私の本音。
というのも、「どのジョーカーがいい?」と自問自答する時。あるいは、映画好きの友達と会話するとき、この問題に頭を抱えるからだ。そして、知らない人に説明するのもややこしい。
ジョーカーは、アメリカのコミックが原作の「バッドマン」に出てくる最も人気のある悪役である。外見は白塗りのピエロのようでだ。(ハロウィンのコスプレでは人気だから見たことはある人は多いと思う。)映画化されるたびに、毎度主人公であるバットマンの配役と同じくらい、ジョーカーの配役は期待され注目される。もしかすると、バットマンの配役以上期待されているかもしれない。それくらい大きな存在だ。
実写版のジョーカーは、ざっと4人存在する。初代とされるジャック・ニコルソンから今回のホアキン・フェニックス。なぜこんなに注目されるようになったかというと、2番目のジョーカーが大きく影響している。
2番目のジョーカーを演じたのは、ヒース・レジャー。彼が”ジョーカー”を演じた映画「ダークナイト」での鬼才な演技力でアカデミー賞を獲得したが、28歳という若さで急死したため授賞式には姿は見せられなかった。厳密には遺作ではないけど代表作になったことは間違いなく、加えて高評価。彼のジョーカーは、レジェンドの地位は変わらない不動のものとなってしまった。だから、”ジョーカー”の配役に期待が高まるのは、驚くべきことではない。
「ダークナイト(’08)」のジョーカー役、ヒース・レジャー(1979-2008)
「スーサイド・スクワッド(’16)」で久しぶりに登場した”ジョーカー”は、ジャレット・レトが演じた。悪役が中心となったこの映画はブームになったし、他のジョーカーに比べてかなりセクシーな”ジョーカー”だったのが印象的だ。出演は話題になったが、制作側とジャレットのトラブルもあり大幅に出演シーンをカットされている。
ジョーカーを演じるにおいて、他のジョーカーにプレッシャーを感じたり、ジョーカーの奇抜な性格に陶酔してしまうのは珍しくない。2番目のヒース・レジャーも、初代のジャック・ニコルソンとは違った笑い方をしようと部屋にこもって練習したり、「ジョーカーは自分で化粧(白塗り)してるに違いない」という発想で、ヒースは実際に自分でメイクして撮影をしていたらしい。役柄に陶酔しきってしまって、死んだとも言われるほどのハマりっぷりだった。
3番目のジャレットレトは、ネズミの死骸や使用済みのコンドームを共演者に送っていたなんて話も聞いたことある。ちょっとネジが飛んでないと演じれないほど、ジョーカーという役柄はクレイジーなのは明らかだ。
「どのジョーカーがいい?」って質問は、ヒース・レジャー(2代目)のカリスマぶりを誰かが越えない限り、人々からすれば”愚問”かもしれない。でも、来年公開の映画「ジョーカー」は、あのホアキン・フェニックスがジョーカーを演じる。
ホアキン・フェニックスは、伝説的なスターである故リバー・フィニックスを兄にもつ、実力派俳優だ。映画「her/世界でひとつの彼女(’13)」を観た時は「あれってホアキン・フェニックスだったの?」と気づかなかった。スクリーンで見かけるたびに違った印象を与えてくるから、毎回びっくりする。絶頂期にいきなり俳優引退とラッパーへの転向を表明して世論を賑わせたり(映画を作るための嘘だったけど)、実力はあるが得体の知れない男だ。
撮影風景をパパラッチされいろんなシーンが流出する中、監督のトッド・フィリップスがもっといい写真をと投稿してくれる。が、ジョーカー自体がこの姿で登場するとはまだ誰も分からないし、決め手となる予告もまだだ。本作は映画「The King of Comedy (字幕版)」の影響を受けた社会不適合な一般人の視点で描くとのことで、今までの”ジョーカー”とはまた違うようだ。だが、世界が注目しているのは間違いない。みんなはどのジョーカーがいい?やっぱり楽しみだ。
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